4「The game of LIFE in 秋葉原」

上野、谷中、秋葉原の任意の場所において「人生ゲーム」のマスのフレーズを模したキャンバスをかかげて写真をとる。 「日常生活とフィクションの共存」

我々は、子供の頃よくすごろく遊びをしていました。サイコロの出た目の数だけ行ったり戻ったり、ゲームのストーリーも月旅行に行ったり、スポーツカーに乗ったり、子供の夢を体現したようなものでした。狭い自宅の一室で、私たちは宇宙人にあったり、お姫様になったり、じつにさまざまな人生を体験してきたのです。  良く聞くサクセスストーリーさえもRPG(ロールプレイングゲーム)のように敵を倒して経験値を稼ぎ、レベルアップしてイベントがあって、という程度のリアリテイしかない私たちは、一生のうちにマンガや小説やゲームのような人生をいくつも過ごしていくのかも知れません。それくらい我々とフィクションはつかず離れずの関係にあるのです。
 これらは常に日常の延長にあります。むかし友達の家の狭い四畳半と夢の世界旅行をしていたと言うのは、今から思うと実に不思議です。黄茶けた畳の上にゲーム盤を一枚敷くだけで、別の世界に行けたのですから。

  プロジェクトの舞台となる谷中、上野、秋葉原にはこれらの夢と現実が隣り合わせになっている奇妙なリアリテイがあります。 ここにすむ人々は、常にHigh and Lowの狭間に生きています。電気街と神田明神に挟まれた秋葉原。上野の森のすぐそばの上野桜木町の人々。また、都美術館と通りを挟んで暮らすホームレスのバラック。
  ここにフィクションのふろしきを広げたらどうなるのでしょうか? 街の中には包みきれないほどの歴史が横たわっていて、フィクションの物語の中には人々の欲望がステレオタイプにつまっています。これらの共存を垣間見て、さまざまな人と語り合うことができれば、もっといろいろなイメージが拡がっていくことでしょう。