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「虹」
虹色のスクロールの映像は色相環表がモチーフになっている。 色相環表は全ての色相を等価で並列なものとし、極めて微妙に変化する連続体として捕らえたものである。その分類、区分には様々な規格があるが、私はここでそれを色彩学的に問題にするのではなく、一つの視点から合理化された体系としての全体を引用している。
都市生活の中で日常くり返す消費活動において私達は常に選ぶことを強いられている。自らの手で制作されたものをのぞけば、身の回りにある色彩のほとんどは工業製品であり企業をはじめとする他者の手によってつくられたものである。最近特に感じるのだが、デパートに陳列された衣料品の数々や、家具、家電製品などの色彩は多様化し様々な色が目につく。私達はそれらを消費しているということは、つまり他者の色彩感覚を受け入れているといえるだろう。
虹色のスクロールの映像はそうした私達の日常に還元されるモノの色見本的な意味をもちえるのではないだろうか。つまり私達の捕らえる「虹」は自然現象の中のそれではなく、消費構造の象徴としての「虹」なのである。
隙間という日頃意識の届かない場所で、圧倒的に美しい虹の出現に私自身が期待している。
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