“立ち小便のスキマ:To Pee or Not To Pee”

 ビルとビルの間の隙間は、だれにも気にされずに存在している。それはあってはな
らない空間と言うよりは、完全に何の役にもたたないので無視されているといってい
い。それならば、そのすきまに、人が覗かずにはいられないような物を入れてしまえ
ばいいのではないか?本来、スキマがあるとどうしても人は覗いてしまうもののよう
なきがする。それが覗いてはいけないスキマなら、なおさらのことだ。
 覗いてはいけないもの、それは、風呂場だったり、一人暮らしの女性の部屋だった
り、はたまた公衆トイレだったりする。こういうものは、実はそれがやらせかもしれ
ないということさえ我慢(?)すれば、お金を払ってインターネットでみることがで
きる。バーチャルではなく、本物を目の前で見たいのならば、よっぽどの運と勇気が
必要だ。警察に捕まってしまうからである。
 そこで、スキマプロジェクトで、その夢を叶えてあげようではないか?忘れさられ
たエアポケットのような空間を、むかし力道山が出ていたプロレス中継を放送した街
頭テレビのように、立ち止まらずにはいられない町のなかの異次元に作りかえてしま
おう。
 しかし、ぼくはそのすきまで、ポルノグラフィを上映したいわけではない。男性用
小便器をおくのである。考えても見れば、スキマの役目のひとつは、男性に立ち小便
をするための隠れみのを提供することにあるのではないか?ならば、おいてあげよう。
ただし、その便器の表面では、美しく化粧をした女性の唇や舌が映写されていたり、
無精髭の男が舌舐めずりしていたりするのである。そんなものにむかって用を足すの
はどんな気分なんだろう?

必要な物:
男性用小便器:数台、
スライドプロジェクター:数台
スライドプロジェクターをつなぐための電源と延長コード:数個
便器がぴったりとはまり、真昼でも薄暗く、かつ盛り場に近くていかにも酔っ払いが
立ち小便をしそうなスキマ:数カ所

インスタレーション:
ビルのスキマの片方の壁に男性用小便器を設置する。できれば、配管などもそれらし
く行い、つい立てのないトイレのような感じが望ましい。