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▼日本のつまらない教育しか覚えていない。何にも面白くない。

▽中学・高校あたりはどうでしたか。

▼単なる普通の受験というか、有名私学、そういう大学へ行くための予備校ですよね。だからあんまり面白くない、でもぼくの場合はたまたま面白い先生に出会うから…。中学は最悪でしたね、今の中学もそうですけど。中学が一番つまらない人間が多かった、ハッキリ言って。小学校は面白いんですよ。たまたまうちの子は私学に行ってしまったからあれなんだけど、周り見てると中学は本当につまらない。高校に行くための収容所みたいになってる。あの時間にみんな先生の顔色見るとか、周りに変に合わせるとか、背伸びしなくなるとか、俺はこんなもんでいいんだみたいな、妙に人間の独自性とか個性とかを蝕んでいってしまう。だから僕は中学教育が最悪なんじゃないかと思う。

▽美術の教科書を見ても中学の教科書、一番面白くないですよね。

▼つまらないですよ。高校に入った時、僕は法律の方にいくつもりだった。たまたま僕の時代っていうのは大学紛争の終わりかけの時代なんですよ。先輩連中は花々しい活躍をして好き勝手したのに、僕らになってから急に先輩連中がやめちゃったんですよ。「やるぞー」っていうてたのに急にやめちゃったんです。僕はその最後の年に高一で入ったんですよ。それ以降、日本はどんどん右翼化して行くんです。反赤キャンペーンとか自民党がやって、フジサンケイグループがアメリカいってどんどんCIAの手先かなんか分からないですけど、日本がですね、コンシューマー、大衆となってものを考えない、ただひたすらものを消費するのがかっこいいと、哲学とか考えてるのはダサいと大学生も急激に変わっていったでしょう。オシャレじゃないとか、ダサいとか臭いとかいうふうになって、哲学とかニーチェとか読んでたらオタクだとある種自らを破壊してしまうような、アメリカの消費文化で自らを崩壊させてく、自らの文化も否定していくような動きが、今の我々の直面している困難はあの時に生まれたんですよ。沖縄返還闘争から、高度経済成長、バブルと日本がひたすらそっちだけ見て行こう、理念は捨てていいんだ、目先の楽しさだけを追って行くみたいなある種の刹那主義になっていく。ハリウッドの万歳映画のようになっていったんですよね、日本全体が。大きなつまずきはそこにあったんですよ、結局バランス欠いちゃったんですよ。ジャンクフードだけ食べてるみたいな。ニーチェもやらないかんし、プロ野球も応援したらいいんですよ、お笑いだってしたらいいんですよ。それをそれは敵だ、みたいな非常に短絡的な発想に行った原因があの大学紛争の末期にありましたね。

 

 

 

 
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